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本間拓巳税理士事務所

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NHKスペシャル「激論"増税"」

早くも年末ですね。これが今年2度目のブログ更新です。怠けすぎですね。(^_^;;;)

昨日の夜、NHKスペシャルで古川大臣や竹中教授が増税についてなかなか深い議論をしておりました。今まで報道ではなかなか表に出ていなかった将来ビジョンについても語られ、今後の税のあり方を考えるのにずいぶんと参考になりました。

たまたま録画していたので、自分のメモを兼ねて、内容を書き留めてみました。

平成23年12月17日 20:00~22:15
NHKスペシャル(シリーズ「日本新生」)
第3回「激論 "増税" 税から考える日本のかたち」

家計への負担

復興増税:所得税 税額に2.1%上乗せ(2013年から5年間)
     住民税 1000円/年増(2014年から10年間)

2015年に消費税が10%になったとすると、
(会社員、専業主婦、小学生二人、の4人家族)
年収 300万 → 年109,000円増
年収 500万 → 年171,000円増
年収 800万 → 年259,000円増
年収1000万 → 年305,000円増
年収1500万 → 年453,000円増

古川元久(国家戦略担当大臣、社会保障・税一体改革を担当)年金・医療・介護について将来的に不安があるので、安定させ持続可能性を確保するために増税が必要

竹中平蔵(慶応大学教授。"増税の前に経済成長を") 増税反対。2015年までに13兆円不足するというが、制度に穴(今の制度のままで税・社会保険料をとれるのにとっていない)(クロヨン問題など)がある。また、今歳出95兆円くらいだが、4年前までは82兆円だった。リーマンショックの景気対策で増やして減らさないままになっている。これで13兆円だ。これをきちんとやれば13兆円出てくる。

古川 同時にGDPギャップを埋めないといけない。経済成長を実現するために財政がやらなければいけない部分もある。地震もあり、さらに強化しなければいけない。今の財政の状況はあれかこれか、ではなく、あれもこれもやらないといけない。財政健全化への道筋もつけないといけない。

竹中 増税しか議論していない。景気対策も含めた95兆円を前提として13兆足りないと言っている。景気対策ならやがて減らさないといけない。

遥洋子(作家・タレント。介護経験から税や社会保障のあり方に疑問) もともと破綻しつつあるという前提で議論することに反省はないのか。

古川 今の社会保障制度は50年前のもの、高度成長時代で、男性の平均寿命は66歳。高齢者の定義(65歳以上)とほとんど同じだった。しかも団塊の世代が稼ぎ始めるところだった。右肩上がりで所得が増え、高齢者は少なく働く世代が多かった。そういう世代の制度だった。しかし今は、男性の平均寿命は79歳、団塊の世代が65歳を迎える。昨年から今年、65歳以上を迎えた人は29万人だが、来年から3年間は100万人を超が65歳を迎える。支える世代は逆に100万人単位で減っていく。若い世代のウェイトが低い。だから、これからは、年令による区分でなく、所得に応じた負担と給付の制度に変えていこうとしている。

城本勝(NHK報道局 あすの日本プロジェクト) 社会保障が保険料で間に合わないので税が投入されている。

社会保障給付費(年金・介護・医療・福祉・雇用)107.8兆円の財源は、保険料が59.6兆円、税が39.4兆円(厚生労働省による2011年推計)。 1980年代は、現役世代6.6人で高齢者一人を支えていたが、2011年は2.5人、2050年は1.2人で支える時代に。 年代別に見た受益と負担の関係(厚労省調べ)でも、現役世代の負担が大きい。終身雇用が揺らぎ、現役世代の不安は増大。 社会保障と税の一体改革 若い世代への社会保障に使いたいとの理念は高尚だが、実際には、消費税5%アップの内訳は、制度改革に使われるのは1%、4%分は高齢化への対応・年金財源の確保などに使われる。つまり、制度の充実というよりは、現行制度の維持に使われる。

古川 その4%のうちの1%は、今まで財源がなかった基礎年金の1/3の税の部分に充てていく。年金の最低限のところは確保する。また高齢者も増えていくので手当が必要。1%の部分も、税は所得の再分配になるので、充実する部分はもっとある。純増が1%ということ。

宮本太郎(北海道大学教授。"社会保障充実のためなら増税も" 世論調査では80%が「増税やむなし」。だが何をどう改革するのかわかっていない。給付増と負担増が錯綜している。結局は税を上げるための方便ではないのか。ビジョンに立ち返り、現役世代の疲弊は甚だしい。貧困層に光を、現役が働き続けることができるように。

竹中 バケツに穴があいている。所得の高い人も年金をもらっている。生命保険は生きてたらもらえない。年金も、元気で働けるならもらえないようにしないと。大甘だ。GDPに占める年金・医療の支出は先進国の中では高い。しかしその他の保障、例えば子育て、保育園とかの費用は欧州の1/3~1/4。そこを何とかしないと。そこのために増税を、というのなら理解する。

制度は変えないまま増税していいのか。誰をもって現役世代というのか。介護のために働けない世代もいる。

古川 制度を変えようと言っている。全世代型、所得に応じた負担としたい。

竹中 方向としては異論がない。しかし増税の中身がビジョンとして出てきていない。13兆円増税の後はどうなるのか。高齢化は続くがビジョンがない。内閣府では「2020年までにプライマリバランス均衡のための試算ではさらに7%あげないといけない」としている。若者への充実がされずに負担だけが大きくなるのではないか。

宮本 5%上げて、13.5兆円のうち0.7兆円しか子育て支援に充てないのは、13.5兆円の5%に過ぎない。ここを抜本的に強化するのが大切。同時に、年寄りの貧困率も高くて、世界で7番目、20%を超えている。現役にも高齢者にも格差があるので、世代内での調整もやらないと。 厚生年金に入っていない人が280万人くらいいる。事業所に体力がない。本当はとらないといけないが現実には取れない。

制度を変えるという言葉は聞きあきた。待機児童問題も変わってない。認可所は2万で入れる。無認可は6万かかる。

宮本 変えようがない。日本の社会保障の中で子育て支援の質はGDPの0.8%、OECD平均は2%超。働きたいけど働けない女性が342万人。待機児童100万人だから100万人以上働いている。3.3兆円の家計収入の増大になる。サービスの担い手で16万人程度の雇用が期待できる。これまでのように経済成長を待つのではなく、下から積み上げる成長戦略。これと一体となっているのが社会保障改革。これを先にやらないといけない。

竹中 宮本さんは正論。スウェーデンは社会保障改革からやったのではなく、労働市場改革をやり女性が働けるようにした。日本は社会保障政策と労働市場政策が分かれているが一体としてやるべき。

社会保障充実させるために増税を選んだ国、フランスの例。特に子育て支援について、国から様々な家族手当ある。子供3人の家族の例。子ども手当は月14,000円。3人目手当18千円。(子供3人だと32千円)働く女性が子育てのために仕事を減らしているので「働くママ手当」27,000円。合計月59千円。その他、ベビーシッター代に充てる保育手当15千円、乳幼児手当2万円があり、合計94千円の家族手当を受け取っている。手厚い支援の一方、負担も大きい。所得税・社会保険料で15万円、消費税住民税で約20%負担している。 1980年代、フランスは失業率の上昇により現役世代を支援する必要性→家族手当や失業保険の充実→消費税・社会保険料を上昇させたが追いつかず新たな財源が必要だった。そこで考えだされたのがC.S.G、一般社会拠出金。いわば第2の所得税。高齢者の年金も対象としたすべての所得に対する課税。ロカール元首相「公平な負担のあり方を模索していた。」しかしC.S.G導入後も赤字が膨らみ続けた。1998年導入当初は1.1%、どんどんあがり、今は7.5%。それでも慢性的な財源不足。新たなターゲットは炭酸飲料。ソーダ税をかけて300億円捻出しようとしている。負担はどこまで増えるのか。模索は続く。

宮本 社会保障の形は一つではない。ギリシャスペインでも社会保障の6割以上が年金支出に充てられている。その分、25歳までの失業率が35%までになってしまっている。これでは経済がもつはずがない。ドイツも高齢者向け社会保険が中心。現役世代を充実させた北欧の例とは別。ただ出生率の向上に効果を上げている。人口置換水準2.0を超えている。日本は1.57ショック以降あきらめムード。(フランスでは)家族手当も子供二人目から。保育ママの給料も補助金で出る。子供3人以上育てるとボーナス1割アップ。露骨だが出生率を改善できている。

竹中 欧州から学ぶことはたくさんあるが、どの程度大きな部分を政府に依存するかの前に、欧州のどこの国でもやっている「社会保障のためのインフラ」整備をしないと。一つ目は経済をちゃんと運営すること。デフレを克服して経済を正常化しないと。バブル崩壊後最も税収が多かったのは1997年。消費税を3→5%に上げた時に54兆円の税収がありこの税収を上回ったことが一度もない。つまりいくら増税してもデフレを放っておいたら税収は下がる。2つめは、ちゃんと徴収しないと。そのためには歳入庁つくるのも一つ。3つめは、社会保障個人勘定をつくる。10年前に提唱したが、厚労省が頑として受付なかった。

宮本 税金が下がってきたと言うが、下げてきたのではないか。(竹中「減税はしていない」)90年の租税負担率(国民所得に占める税収の割合)は27%。今は22%くらいだ。この間日本国民の個人金融資産は500兆円増えている。これは個人所得税や2003年に相続税の最高税率を7割から5割まで下げたから。

フランスが羨ましい。どれほどお金がないか国は理解していない。単身女性の3人に一人が貧困。高齢女性は5割以上。子育ての前に女性が一人で自立できない。貧困層の拡大を解決しなければ出生率問題はナンセンス。なぜ貧困か。単身がポイント。制度が家族制度のままに留まっている。単身世代が枠から外れている。

城本 今のままで制度が維持できないという意見は共通している。問題はどう変えるか。そのためにどれだけ税金が必要か。 社会保障部分の改革案のビジョンが見えてこない。増税ありきばかり目につくから不信につながる。

古川 今は高齢者に偏っているから全世代対応型にする。支援と負担を年齢別でなく所得別にする。また、保険料と税を明確に分ける。税は所得再分配。今回はその第一歩。

竹中 正しいが、それが政府のプランに出てこず、5%引上げだけがでている。だから不信だ。形にして示すべき。また、(遥さんの指摘は異次元だが重要である)この4年で日本の雇用は150万人減少している。最大の問題。結果、生活保護が100万人増えている。「成長は全ての矛盾を覆い隠す(チャーチル)」

古川 2015年以降財政負担を減らすためには経済成長が必要。成長には雇用対策が必要。一体改革でも将来の経済成長につながるようにしたい。社会保障分野では雇用は増えている。

ドイツの例。ドイツは年金給付の削減を実現。
急速に高齢化が進むドイツ。年金制度の赤字補填のため年7兆円以上の税が投入されている。政府はこの10年2度にわたり給付削減という大規模改革をした。1998年シュレーダー率いる社会民主党は、リースター元労働社会相は、年金改革への反対を掲げて政権交代したが態度を一変、厳しい現実(制度は崩壊寸前)を直視。年金削減は避けて通れなかった。国民の批判、公約違反だと抗議。平均10%の減額を理解させるためTV討論・対話など国民に訴えた。当初案を修正、削減率を半分に留めるなどして2年をかけて合意に導いた。しかし高齢化ペースは予想を上回り、赤字は膨らみ、2005年には7兆円まで膨らんだ。2度目の年金改革。分析の結果、支給開始年齢を65歳から67歳に引き上げることとした。前にも増して抗議あったが、2007年に引上げ決定。しかし社会民主党は改革後の選挙で大敗し政権を追われた。ミュンテフェリング元労働社会相「政治家は30年後に効果が出ると信じて決断するしかない」

古川 野田政権の覚悟は問われる。今は公務員給与を7.8%下げる。

竹中 政治の有り様そのものが問われる。民主主義が問われる。「政治屋は次の選挙を考える。政治家は次の時代を考える」社会保障は長期を見通して国民にアピールしないといけない。野田政権はビジョンをしっかり示すべき。

宮本 ドイツでは社会保険料が賃金に対して40%を超えていた。雇用が圧迫され若者に厳しい状態だった。いつも野党が反対してきたが、やらなければいけないことが明確になったので遂行できた。与野党双方が自己改革をして合意に達した。日本は与野党が接近してはいるが枝葉末節でつばぜり合いをしている。間隙を縫ってポピュリズムが広がっている。

ドイツ国会で「国が大変なのに国民は文句ばかり言っている」と言っていたがよく言うよ。そうしたのは誰かと。あの発言の図々しさを日本の政治家にも近いものを感じる。「財政が逼迫しています。増税しますか、サービスを削減しますか」二項対立はズルイ。税金があがるたびに同じ手法。改革とは何?過去の踏襲にすぎないのに。変えないといけないのはわかっている?じゃあ変えたのか。

古川 二項対立はまずい。だから、一体改革。まだ説明不足だからがんばる。心配なのは、日本の平均年令45歳、上と下の世代で世代間対立になるのはよくない。そのためにはあれかこれかではなく、どうしたら乗り越えられるかという視点でがんばる。

(今ドイツの失業率は20年ぶりに低水準。)

城本 増税には政治的エネルギーが必要なのに与党内でも意見がまとまっていない。リーダーシップが見えない。

古川 これを政争の具にしてはいけない。避けて通れない改革なので。

竹中 政治との関係といえば、結局国民が問われている。政治家は国民の鑑である。

 

第2部「どうすれば納得できるのか」

(5%上げて13.5兆の税収と言うが、H23年度予算案では10兆となっている。どこに抜けているのか益税をどうするかとか、きちんとしろ)(○○手当よりも雇用が欲しい)(税金の使われ方が不透明)

国民負担率:日本41%、スウェーデン59%
重税感:  日本62%、スウェーデン56%

スウェーデンの例。社会保障の中でも雇用対策への支出割合が高い。対GDP比0.99%(日本は0.26%)。職業教育が充実。39歳女性の例では給料は月42万円、所得税11万円源泉され、その他に社会保険料を負担。スウェーデンでは年間約18万人が職業訓練を受けている。解雇者の80%以上が8ヶ月以内に再就職している。失業保険の受給期間を終えても職業訓練を受けていれば最大で給料の65%が保証される。仕事がなくなっても落ち着いて構え、必要な準備ができる。これは企業の成長にも役だっている。大胆なリストラがしやすい。不採算部門から成長部門への雇用移転を積極的にし、5%の成長率を達成。企業の成長により手厚い社会保障が維持できる。

竹中 恩恵と負担が見えやすい形で提供されている。地方政府が充実している。日本では税の2/3は国に払い、恩恵は2/3は地方から受ける。辻褄が合わないので補助金や交付税がいく。恩恵と負担が一致しないところに問題がある。スウェーデンから学ぶ必要がある。スウェーデンは 欧州でも最も法人税率が低い国。その分競争政策が厳しく、弱い企業は助けない。日本は弱い企業を助けている。

宮本 負担率と満足度の謎については説明できる。日本は帰ってこない負担にしては高いじゃないかということ。民間の生保の掛け捨て型と貯蓄型で例えると日本は掛け捨て型。帰り方の問題も、能力を育てるなどをしていない。スウェーデンの法人税率は26.3%で安い。しかし企業の社会保険料負担が大きく約32%。日本は社会保険料が安くて法人税が高い。必ずしも単純比較はできない。ただ企業はリストラするから厳しくしかし人は守る、という哲学は学ばなければならない。

竹中 経済発展には法人税は下げないといけない。日本の税制が突出しているところ。もうひとつは所得税の税率が10%以下の方が8割。驚くべき数字。イギリスでは15%。アメリカでも40%。つまり穴が空いている。そのぶん別なところにしわ寄せ。是正すべき。

古川 時代に合わせて税制を変えないといけない。国が人や企業を囲い込む時代でなく、今は人や企業が選ぶ時代。法人税はだから下げた。所得税も日本は控除が多い。基本税率以外の例外が多い。できるだけシンプルにして、課税ベースを広くして税率を高くしないようにしたい。

スウェーデンのように経済の後押しと社会保障と両方に税を使うサイクルがうまく回っていない日本では、社会保障と経済とどちらを先行させるのか。高度経済成長時代は家族(家の女性)が社会保障を引き受けていた。

古川 従来の日本は企業や家庭・地域が、公的な社会保障を担っていた。今は企業が賄えなくなった。家族が成立しなくなった。だからこそ社会全体でセーフティネットを作る必要がある。やはりどちらか、ではなく、どちらも。

宮本 経済成長の果実が広がる回路が壊れている。底上げ型の成長が必要。企業が競争力をつけないといけないのは竹中さんと同じ。企業が雇用の場であり社会保障の場であり教育の場であった。今はそれができないので、企業の外にそういう場を作る必要がある。これが成長を支える。(遥「私もそう思う」)

古川 そこで求職者支援制度というのを始めた。失業保険が切れても職業訓練を受けている間は一定額の給付をする。これから力を入れたい。

過去の負の制度として、男女の賃金格差が解決されていない。スウェーデンは共働き前提の社会保障。日本は成立していない。

古川 過去のツケは解決して行かないといけない。

城本 現状は具体的なビジョンが見えていないから納得感がない。

古川 だからこそ行政刷新会議。

竹中 あえて言う。日本に相対的に一番欠けているのは経済成長力。これを支えないと財政再建も社会保障もできない。日本の名目成長率見通し1%強。同じような財政再建を抱えているアメリカでは3.5%前提のプラン。イギリスは5.3%。1%成長のままだとうまくいかない。スウェーデンはそれを労働市場改革でやったからうまくいった。

宮本 その成長を実現するために能力を高めないといけない。(竹中「全くそのとおり」)

城本 次に、どこに税を使うのか

被災地復興の例。瓦礫処理・仮設住宅など、どのように税が使われるか。 先月成立した第三次補正予算では、12兆円の内約9.2兆円が震災関連予算。公共事業や中小企業の資金繰り対策など予め使途が決まっている。その中で復興交付金が1兆5612億円。地域が自由に使えるのではと期待が高まっていた。しかし疑問の声も上がっている。「税の使途をどこで決めるのか。」 復興交付金の対象事業は特定されていた。5省40事業。自由ではなかった。

古川 柔軟にできるよう考慮したい

竹中 前述のように2/3は国に払い、地方が2/3を使う。だから1/3を国から地方に渡すのでひも付きになってしまう。システムを変えないといけない。地方に直接地方税として払えばいい。しかし残念ながら「税源移譲」という言葉がこの2年間消えている。結果的に各省庁が権限を離さない。 また、社会保障というのは所得税でやるべきである。所得再配分だから。消費税に依存するというのは税のあり方として非常に不健全。消費税は地方のために使うべき税源移譲して消費税の役割を重視することは大変重要な今後の視点。

宮本 そこまでは賛成。税源移譲にあたっては偏在性の少ない消費税や個人所得税を地方にあてがう。補助金についても国が誘導する奨励的補助金はなくしていく。ただ、竹中さんと議論が分かれるかもしれないが、義務的補助金(地財法10条?)一律のサービス水準を実現しなければいけない部分もある。例えば夕張市は所得税30万円の世帯は3歳児を保育所に預けると5万円以上かかる。豊かな都区部では1万円ちょっとで済む。このようにそれなりの財源調整は必要。ただ、地域が自由にサービスを構築できるフレームワークはつくらないといけない。地域ごとに機会の平等は担保しないといけない

税源移譲して納得感が得られるのか。例えば介護保険。そもそも認定から違和感・不信感。現場のニーズに合わせようとすると国の規制が邪魔をする。現場を見ずに国の規制ばかり見ている。このようなシステムを変えないと税源移譲しても不信は拭えない。

古川 政権交代から2年、第一歩として昨年地域戦略交付金5000億まとめた。今年は政令指定都市まで拡大。その次に税源移譲。

竹中 地方の財源は将来的に消費税でやるべきではないか。

古川 アメリカのような小売売上税と異なり日本は多段階課税方式だから、地方税にするにしてもドイツのような共有税にするとか様々な形がある。これから議論するところ。税率も地方で決められるように。増税は国で減税は地方というのではいけない。そのときに消費税がいいかどうか議論すべき。

そんななか、自分たちの税金を住民自ら決定しようという取り組みがある。税と社会のあり方を変えることになるか。 鳥取県智頭(ちず)町。森のようちえん。あえて施設を作らず、森の中で子供達を育てる。地域の子育てママが町に提案して実現。投入税金は3年で1800万円。保育士の給与や移動車に使われる。
智頭町人口はおよそ8000人。3年前にできた仕組みが実現のキッカケ。町の財政が厳しくなる中、住民有志からなる百人委員会が税金を有効に使おうと。予算50億円の事業案・予算案を提案。初年度は8700万円実現。森のようちえんでは3年目の今、21人が通っている。目に見える、との納税者の意見。次々と提案される使途。間伐材1トンで6000円相当の地域通過がもらえるという事業により手付かずだった山の整備が一気に進んだ。インターネットでの高齢者の安否確認システムも。百人委員会がはじまって3年。採択されたのは28件にのぼる。さらに住民たちは無駄なく使うように考えるようになった。獣害である鹿駆除につき、鹿料理店の提案は却下された。町長「税金はみんなで使う時代になった」

評価するところは、当事者のニーズに答えているところ。次に目指す社会保障の姿である。心配なところは、税に関心を持ちましょうと言うが、今の税の仕組みを理解できますか?興味を持とうにも難しすぎる。

宮本 これまでの市民参加はクレーマー型だったが、実際に使ってみないと本当に参加することにならない、行政の苦労もわからないということ。これは実は世界的な潮流。ブラジルのポルトアレグレから始まり、市民参加型予算という考え方。義務的経費以外の予算を各地域に預けてしまう。ブラジルから始まりラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジアどんどんひろがっている。これをしっかり受け止めないといけない。また、これからの社会保障は現金給付から公共サービスに移っていく。公共サービスの主体は自治体。これからは使い勝手をよくするには自ら設計して関わって行かないといけない。腕組みして待っていてはいけない。それは納税者にとってもハードルの高い時代になる。そこを超えて初めて循環する税金となる。

竹中 この仕組は90年代から広がっている。智頭町にはぜひがんばって欲しいが、本当の難しさは、権限を得るということは責任を伴うということ。自由と責任の両セットを制度の中にうまく取り入れる事が重要。使うことは決められるが、いくら負担するかということを決められるか。覚悟が必要。かつて「地方に自由を与えたい。その代わり責任を負ってくれ」と言ったら多くの首長が反対した。まるで地方分権に反対しているかのようだった。自由が欲しいなら住民を説得して増税するという覚悟が必要。お任せの楽さではない、本当の責任。

そりゃビビりますよ。やったことないから。トレーニングが必要。要望が実現されるという過程を経験していない。手にしたことがない自由。今ある財源すら自由にならないのに、何が次のお金をくれだ!という思いがある。

宮本 政治に参画する時間があるのか。主婦や若者に政治に取り組む時間的余裕がない。結局時間が自由になる自営業者が参加して従来通りのものに成りかねない。参加の条件を確保するのも重要。

竹中 あえて言うがそのような条件を作ることの第一歩は「まずやってみる」こと。踏み出す勇気はみんなが持たないと。

税と社会保障には女性たちの声を聞きとって欲しい。

古川 地域通貨の発想はとてもいい。地域経済の活性化につながる。税の歴史を調べたが、原点は、人間は一人では生きていけない。仲間で行動するために必要な費用。社会生活を営む上で個人を超えた費用を出しあう。

もっともっと身を切るべき。「不退転の決意」という言葉は強者に向かって言うべき言葉であって弱者に向かって言う言葉ではない。不退転の決意でまず身を切れ。その次に税を語れ。

宮本 国の形はアメリカやスウェーデンから持ってきたってできない。日本はこれまで皆が勤勉に働くことで頑張ってきた。それが会社の中だけでできなくなってきた。だから頑張ること働くことを支え合う。それをきちんと実現すること。(スウェーデンの社会保障のハンドブックを見せて)ここには社会保障の内容が全て書いてある。増税の見返りとしてはっきりとした契約をしないといけない。

竹中 歴史について言えば、民主主義というのは、王様が増税する時に税金を上げるときだけは我々の話を聞いてくれということで議会ができた。今回まさにそれ。今までアタリマエのことをやっていない。大きな穴が空いたまま。これを塞いで無駄を省いてデフレを克服しよう。それらをやって初めて増税の議論が出てくるんだと。しかし実は、それらを実行すると、当面の消費税の引上げは必要ない、という計算になるんです。それも含めて、きちんとしたビジョンを示していただきたい。

古川 今日の議論で、若い次の世代が夢と希望を持てる社会を実現しないといけない。若者たちの才能が発揮できる社会が実現できればそれこそ経済成長もできる。

城本 ぜひ明確なビジョンを打ち出していただきたい。 また、お任せではなくひとりひとりが考えないといけない。



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