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本間拓巳税理士事務所

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税務署の源泉徴収ミス

事業者が個人にお金を支払う場合には、源泉徴収を行わなければならない場合が結構あります。給料もそうですが、税理士なども、顧問料を会社からいただく際には、源泉税を10%引かれています。

これを怠ると、支払った側が徴収義務違反とされ、加算税という罰金のようなものを払わなくてはならなくなります。

ところが、この基本的な処理を、全国の国税局が間違えるという不思議な事件が起こりました。

熊本国税局、土地鑑定報酬などで源泉徴収漏れ

熊本国税局は19日、同局が土地鑑定などを依頼した不動産鑑定士ら27人に、源泉所得税を差し引かずに報酬を支払い、約140万円(31件)を徴収漏れしたと発表した。国税庁は「国税局の徴収ミスなど聞いたことがない」としている。

 路線価を決めるための土地の鑑定評価などを依頼した不動産鑑定士20人と、職員研修を担当した講師7人。所得税法では、個人への報酬支払いの際、約10%の源泉所得税を差し引かなければならない。

 同局の会計課職員が、報酬の支払先を、源泉所得税の差し引き対象とならない法人と勘違いしたのが原因という。今月1日、会計課長が、税務署に提出する昨年の源泉所得税の報告書をまとめた際、報酬が異なることに気付き、判明した。

 徴収漏れの額は1人3000円~8万4920円。同局は全額を立て替えて納付したうえで、関係者に謝罪し返納を求めている。これまでに13人が返納に応じたという。

 同局は「税務行政への信頼を損ね申し訳ない。事実関係を確認した上で処分を検討する」としている。
(読売新聞 平成22年2月20日)


金沢国税局、2万4千円の源泉徴収漏れ

 金沢国税局は23日、業務を依頼した不動産鑑定士1人に報酬を支払った際、所得税約2万4千円の源泉徴収漏れがあったと発表した。
 国税局の説明では、ミスがあったのは昨年11月の支払い。職員が契約内容を誤認したという。内部監査で判明、不動産鑑定士に謝罪して徴収し直した。依頼内容など詳細は明らかにしていない。
(産経ニュース 平成22年2月23日)


広島国税局も源泉徴収漏れ 中国5県の路線価鑑定で

広島国税局は23日、中国5県の路線価を評価した不動産鑑定士や土地家屋調査士計83人への報酬支払いの際、2009年までの3年間で所得税計約500万円の源泉徴収漏れがあったと発表した。

 発注業務の請求書に源泉徴収額を記入する欄がなく、徴収の対象外として処理したことなどが原因。熊本国税局で同様の徴収漏れが発覚し、国税庁が各国税局に内部監査するよう指示していた。

 約500万円は広島国税局が広島東税務署に納付。今後、83人から報酬のうち源泉徴収分を返納してもらう。

 同国税局の吉田憲一国税広報広聴室長は「税務行政に対する国民の信頼を損なうもので、申し訳ない」と謝罪した。
(西日本新聞 平成22年2月23日)


札幌国税局:業務依頼で源泉徴収ミス 「法人」と誤認

札幌国税局は23日、09年に道内の自営業男性1人に業務を依頼し報酬約340万円を支払う際、所得税約34万円の源泉徴収を怠るミスがあったと発表した。

会計課職員が契約相手を「個人」ではなく、源泉徴収の義務がない「法人」と誤認したのが原因という。

国税局によると、2月の臨時監査で徴収漏れが判明。

男性に謝罪し税額分の返納を求め、札幌中税務署に納付した。契約内容や男性の業種は「個人の特定につながるので公表できない」(国税広報広聴室)としている。

国税局は「チェック体制の強化を図り、再発防止に努める」とのコメントを出した。
(毎日新聞 平成22年2月23日)リンク切れ


高松国税局、不動産鑑定士報酬で1万5千円の源泉徴収漏れ

高松国税局は23日、差し押さえ物件などの土地を評価した香川、高知両県の不動産鑑定士2人に報酬を支払う際、所得税計約1万5千円を源泉徴収していなかったと発表した。

 発表によると、徴収漏れがあったのは平成20年と21年の支払い分。職員が個人鑑定士を源泉徴収の対象ではない法人と誤認した。徴収漏れの約1万5千円は同国税局が高松税務署に納付。2人に謝罪し、所定税額の返納を受けた。
(産経新聞 平成22年2月23日)

この問題、論点が2つあります。

バカバカしく無駄な手続

まず、税務署からの売上については、確定申告をしますよね。税務署からの報酬を申告漏れするなんて度胸は、普通の方なら、ないはずです(笑)

だから、源泉徴収していようがいまいが、確定申告によって正しい税額を納めるのです。

ところが、税務署自体が間違えた。

法律上の手続はどうなるかというと、本人から徴収しなければなりません。

2月にあわてて本人から徴収し、支払調書を出し直し、確定申告をすでにしてしまった人には、申告し直してもらったのでしょうか。

これ、もし、確定申告期限後に発覚していたら、どうなっていたでしょう?

困るのは徴収された本人。既に確定申告をしているので、正しい税額を払っているはずです。それなのに改めて徴収されたので、その分は取られすぎなので、改めて還付の手続が必要です。で、手続をすれば、徴収された税金は戻ってきます。

つまり、税務署は不動産鑑定士からいったん源泉税を徴収し、徴収された側が還付請求をして払った源泉税を返してもらう。結局何もなかったのと同じ。
でも法律上は、こんなバカバカしい手続が必要。


ただ、現実には、民間会社で徴収漏れが発覚しても、受取側が正しい確定申告をしている場合、たいていの税務調査員は見逃してくれます(こんなこと言っていいのかどうか分かりませんが)。
これが常識的な対応だと思いますよ。だって、実害はないんですから。

だから、各国税局が、本当にこんなバカバカしいこと、つまり、わざわざ不動産鑑定士に連絡をとり、謝罪して、税金を徴収した上で、更正の請求書を提出させ、徴収した金額と同額を還付するのか、非常に気になります。はっきり言って、時間の無駄、税金の無駄使いです。

本当に間違えたの?

もうひとつ気になるのは、全国的に同じ間違いをしている点です。源泉徴収義務の対象は、実務家としては基礎中の基礎であり、国税局が知らないなんてことは、ありえません。そんなミスを、北は北海道から南は九州まで、複数の人間が一様に同じ間違いをするでしょうか。

「個人を法人と誤認した」なんて言い訳、通用しませんよ。噴飯モノです。

税務署と言えども公務員、漫然と事なかれ主義で前任者と同じ作業をしていたように思えます。きっと、先輩又は上司のミスを後輩が指摘できなかったのでしょう。


(ある税務署OBの税理士が「この処理はおかしいと署内でも以前から言っていたんだ」と言っているのを聴きました。コレ、どう解釈すればいいのですか?少なくとも、その方の在籍中からずっと行われていたということですよね??きっと、他の局でも同じだったんでしょうかね?)


ちなみに、支払側が源泉税をとり忘れていたことが判明した場合、受取側は、源泉税を返さなければいけないのでしょうか。
確か「返さなければいけない」という判決がでていますので、一応、ごねて済むものではありません。



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